FXを10年やってきて今更気づいた当たり前の真実

2019年1月16日

驚く

現実世界では当たり前のことでも、狭いコミュニティーの中では事前に定められたルールに縛られて気づけないことがあります。今回はFXを10年ほどやってきた私がこの記事を書く前日まで気付かなかった「現実世界では常識でFX世界では非常識?」な内容を記載します。

よくよく考えてみれば当たり前過ぎて、もしかしたら気づいていなかったのは私だけなのかもしれません。

気づきから仮説を立てるまで

気付いたのは業者間アービトラージの検証をしていた時です。

※アービトラージ(裁定取引)とは、同じ価値を持つ商品の一時的な価格差を利用した取引です。業者間アービトラージとはFXにおいて複数業者の中から最も安い買い値(Ask)を提示している業者と最も高い売り値(Bid)を提示している業者を見つけて、その差が一定以上開いた時に売買を行い、差が一定以下になった時に決済する売買手法です。 ( 業者間アービトラージの検証や詳細については別の機会にまとめようと思います。 )

上記を検証して整理しているときに、これはアービトラージのみの話ではなく全てに当てはまるのではないか?ということに気づきました。

例えば現実世界において、「車が欲しい、冷蔵庫が欲しい、PCが欲しい」となった場合に、たくさんのお店を調べて最も安く販売してくれるところから購入するのは誰もがやっている事ではないでしょうか。

一方でFXはどうでしょうか。USDJPYを買いたいと思った時に最も有利な価格の業者を探しているでしょうか?(私はやっていませんでした。。。)

現実世界では当たり前なのに、なぜFXではやっていないのか?

いくつか考えられます。

  1. FXは「買い→売り」「売り→買い」までをセットで行いますがA社で買ったものはA社でしか売れないから
  2. 1つまたは2つの業者のみでトレードしているから
  3. 分かっていてもやるのが面倒そうだから

2と3に関しては「やっていない理由」としては成立しますが、「やらない理由」にはならないのでここでは掘り下げません。

1に関しては確かにその通りで、1社完結型であるがゆえに優位性を感じないということが考えられます。つまり、安く買えたとしても高く売れなければ意味が無いということです。しかし、現在のFX業者はかなりしっかりしているので価格の歪みはある程度の時間で必ず補正されると考えられます。

少し極端な例を挙げてみます。

A社の提示・・・95円で売ります・・・90円で買い取ります
B社の提示 ・・・100円で売ります・・・95円で買い取ります
C社の提示・・・102円で売ります・・・97円で買い取ります

このレートが提示された時点では、どこの業者から買ったとしても売れば5円分の損失になります。ただ、このレートのバラつきは補正されていき、例えば以下のように収束していきます。

A社の提示・・・99円で売ります・・・94円で買い取ります
B社の提示・・・98円で売ります・・・93円で買い取ります
C社の提示・・・99円で売ります・・・94円で買い取ります

例を表にまとめます。

購入先購入金額売却金額損益
A社95円94円-1円
B社100円93円-7円
C社102円94円-8円

損益が全てマイナスなので分かりづらいですが、購入金額が最も安かったA社が有利な結果になります。常に有利になるかは売却金額のブレ(スプレッド具合)にもよりますが、以下のような仮説を立てることができます。

収束を前提とするならば、最も有利なレートを提示している業者でエントリー(買い/売り)するのが最も有利なトレードになる!


簡単な検証

検証の前にFXの言葉で情報を整理します。以下の条件でバックテストを行います。

買い条件成立

最も安いAskを提示している業者を探す

エントリーする

売り条件成立

最も高いBidを提示している業者を探す

エントリーする


検証に使う業者

XM, FBS, FXProの3社を利用します。

本当はもう少し多くしたかったのですが、3つに絞った理由は私の使っている業者で今回の検証に利用できそうなのが3つだけだったからです。

MT4では正しいAskが取得できないのでMT4のみ対応の業者は対象外としました。Bidはおそらく問題ないのですが、Askは「Bid + バックテスト画面のスプレッド」となっていて、全く意味を成しませんでした。

また、利用しているMT5業者でHotForexとTradeviewは直近までデータが全く同じ状態(おそらく一部メタクオーツのデータが使われていると推測 )になっていたため除外しました。

少しだけ横道に逸れて説明します。(興味の無い方はバックテスト結果の部分まだ読み飛ばしてください)

MT5が使える適当な3社のリアルティックデータを同じ順に並べたものが下図になります。

3者のティックデータ比較

赤枠部分は3社共通で完全に同じサイズのティックデータ、青枠部分は2社共通で同じサイズのティックデータです。ティックのサイズが同じになるということは何かしら共通のリソースを使っているのであまり信用できないという印象です。直近のデータでは下図のようにすべての業者がバラバラになっており、おそらくこれが正しい姿です。

3社のティックデータ比較(直近)

今回の検証期間は「2017年12月1日~2018年12月31日」としていたのですが、HotForexとTradeviewでは2018年2月までティックデータが完全一致していました。そこから先では異なるのですが、そうなるとどちらが正しいデータか判断できないので両方とも検証から除外するという選択をしました。(ティックデータの話はいつまでたってもグレーです。)


バックテスト結果のまとめ

業者トレード数利益PF
XM77-207.33ドル0.69
FBS77-200.76ドル 0.70
FXPro77-191.43ドル0.72
最も有利な業者77-176.96ドル0.73

全てマイナスの結果となり分かりづらいですが、エントリー時に最も有利なレートを提示していた業者でトレードした合成パターンが最も利益が出ました。(損失が少なかった)
分かりやすいように「各社の利益と最も有利な業者の利益」を比較したのが下表になります。

業者利益最も有利な業者の利益差分
XM-207.33ドル-176.96ドル+ 30.37ドル
FBS-200.76ドル-176.96ドル + 23.80ドル
FXPro-176.96ドル-176.96ドル + 14.47ドル

今回の検証では仮説通りの結果となりました。


最後に

いかがだったでしょうか。この程度の検証量で確実に優位性があるとは言い切れませんが、例えば10社の中から最も有利なレートを探せば割と多くの歪みを捉えられるのではないかと思います。(その場合は10社分の資金を準備する必要があるので資金効率は悪いです。)

とはいえ理論上では1つの業者を選択するよりも確実に良い結果になると考えられますし、すべての戦略に組み込むことができるので突き詰めていく価値はありそうです。

最も有利なレートを提示している業者でエントリー(買い/売り)する

たったこれだけの当たり前のことです。
業者間アービトラージ(両建て)は禁止している業者があるようですが、この手法ではエントリーするときに有利な業者を探すだけなので問題ありません。

念のため各業者のサポートに以下内容が禁止されているかを確認しました。(2019/01/16時点)


ケース1・・・本記事の内容です。
USDJPYをlongする場合にA社とB社の価格を比較して、安いほうでlongする

  • XM・・・OK
  • HotForex・・・OK
  • FBS・・・OK
  • FXPro・・・意味不明
  • Tradeview・・・OK

ケース2・・・業者間アービトラージ
USDJPYをA社でlongしてB社でShortする

  • XM・・・NG
  • HotForex・・・NG
  • FBS・・・NG
  • FXPro・・・意味不明
  • Tradeview・・・OK

FXProは相変わらず何を言っているのか全くわかりませんでした。ケース1とケース2と記載して質問したのですが。要はうちを使っておけば間違いないからということを言いたいのでしょう。。。


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私たちはすべてのプラットフォームで競争力のある変動スプレッドを提供しています。 MT4 / MT5口座では、商品の取引時にスプレッド(手数料なし)のみが課金されます。

cTraderアカウントでは、スプレッドははるかに低くなっています(主要FXペアの0から)が、取引ごとに別々の手数料がかかります。 (100万ドルの取引につき45ドル)。


[独り言]
業者間アービトラージを禁止する理由がまったく分かりません。余程不完全なマーケットでない限りは歪みの頻度は少ないうえに小さいので、一般的な回線速度では100%儲かるということは無いと思います。

もし業者にとって不利(ユーザーに有利) なレートだからという理由ならば、逆にユーザーに不利過ぎるレートでストップ狩りされる時の理由を教えて欲しいものです。それに不利なレートをつくならケース1も同じでは?とサポートに追加で質問したのですがそちらは良いようで・・・理由がよくわからないです。。。

ケース1は有利なレートを探すだけでトレードに対してリスクを負っているからOK?アビトラもスリッページリスクは一応負っているけど、トレードのリスクとしては負っていないから禁止?・・・私には難しすぎる問題です。

キャンペーンボーナスを使ったアービトラージや高頻度過ぎるアービトラージは確かに微妙ですが、実際の自分の資金を使って常識的な範囲で行うアービトラージになんの問題があるのかよくわからないです。