市販EAを購入する前に見極める

眼

市販EAの購入後に思ったようなパフォーマンスが出ずに運用停止することはよくあることです。しかし、元から起こりえる範囲の損失だったにもかかわらずそれに気づいておらず停止している可能性があります。EAの販売ページには沢山の情報がありますので、人気のEAを少し解析してみようと思います。

フォワード結果を見ればある程度のことは分かりますが、今回ご紹介するような解析ができるようになれば、月単位の解析やフォワードがまだ存在しないEAの解析を購入前にできるようになります。

解析手順

データ取得元

GogoJungleの商品販売ページにバックテストデータが掲載されていますので、それを利用します。

その時によってランキングの内容は異なりますが、2019/01/11にランキング上位にあるEAの中でも個人的に気になっていた以下5つを分析します。

  • Angel Heart Lono
  • Beatrice DELTA2
  • 一本勝ち
  • White Bear Z USDJPY
  • Pips_miner_EA

解析ツール

無料EA第8弾とQuantAnalizerの活用方法 」で利用したQuantAnalizerを使用します。


手順

各商品ページに行ってバックテスト結果をコピーします。(ヘッダー部分は不要なので赤枠部分の先頭から末尾までを選択してコピーします。)

バックテスト結果のコピー

コピーした結果をQuantAnalyzerに貼り付けます。(私は何度も利用しそうなのでメモ帳にも保存したうえで貼り付けていますが、どちらでも構いません。)

  • 「Paste report」をクリックします。
QuantAnalyzer

  • 1つ目の赤枠内にコピーしたデータを貼り付けます。
  • 2つ目の赤枠で「適当な名前」、「Symbol」、「Timeframe」を設定します。(SymbolとTimeframeは各商品ページに記載されているので同じものを入力してください。)
  • 設定が完了したら「Load」をクリックします。

※青枠内はMT4のバックテストを貼り付ける例なので今回は無視してください。

コピーデータ取込

ここまでの作業を解析したいEA分繰り返せば準備完了です。


解析結果

解析結果については「どのEAが優れているか?」ではなく、「どのようなことが分かるか?」という部分について記載していきます。

Angel Heart Lono

Lono検証1
Lono検証2

Long/Shortのバランスが良く、「月、曜日、時間」による特殊フィルターも無さそうです。

上記はバックテスト全期間のデータですが、下記のように特定の1年にのみフォーカスして確認することもできます。

Lono検証3

例えば3ヶ月も連続で負ければ運用を停止したくもなりますが、13年のバックテストで5回ほど3ヵ月連続の負けが確認できますので許容範囲と考えられます。このような分析をせずにリアル運用でいきなり3ヶ月連続でマイナスになれば運用を停止してしまうのではないでしょうか。


Beatrice DELTA2

Delta検証1
Delta検証2

月曜日に仕掛けるタイプのEAなので、商品ページの情報通りになっていることが分かります。買いの比率がやや高く利益率も買いの方が高いです。そして年単位の負けは一度もないです。


一本勝ち

1本検証1
1本検証2

7月と12月のみ微妙な結果になっています。このEAはフォワード期間が長いので、2016年以降の7月・12月の成績を確認してみるのも楽しそうです。


White Bear Z USDJPY

シロクマ検証1
シロクマ検証2

バックテストデータは少ないですがフォワードでも安定して右肩上がりのEAです。朝スキャタイプなので時間帯でエントリーを制御している特徴があります。売りでの利益が多いようです。


Pips_miner_EA

PipsMiner検証1
PipsMiner検証2

商品ページに記載があったとおり、確かに「22時、23時、1時、2時、3時」のみのエントリーとなっていました。他の4つのEAに比べると少しだけフィルターが強めかなといった印象です。年単位の負けは一度も無いです。


ポートフォリオ

ご紹介した5つでポートフォリオを組んだ場合です。(QuantAnalyzerの機能で簡単にできます。)

今回はバックテストデータがバラバラで、完全に共通している期間が2012年と2013年だったのでその2年のみ確認してみます。

ポートフォリオ2012年
2012年
ポートフォリオ2013年
2013年

このポートフォリオの資産曲線を見るとほぼほぼ右肩上がりに見えるのですが、月単位で確認すればしっかりマイナス部分があることが分かります。ロット数が他と異なるEAもあるので完全な解析とは行きませんが、1つの側面はとらえられているかと思います。

通常のバックテスト結果ではトレード数が多くなればなるほど月単位の負けが分かりづらくなります。ただ、実際に運用した時に気にするのは月単位の損益ではないでしょうか。そういった細かい部分まで購入前に確認しておけば自信を持って運用することができると思います。

それと、参考になるかは分かりませんが私の場合は自作EAを運用する際に例えば以下のように停止ルールを先に決めて運用しています。(市販EAではお金を払った安心感でそこまでやっていなかったことを今更後悔していますが・・・。)

No停止ルール
EA-11回でも負けたら
EA-2月の損益が一度でもマイナスになったら
EA-3最大ドローダウンを更新したら

全てのEAで固定のルールに基づいて運用停止される場合は問題ないと思いますが、個別に停止ルールを決めるにはある程度の分析が必要だと考えます。今回のような分析を自身で行うことによってEAの特徴が分かりますので、EAの停止ルールを明確にしたり、様々な局面で役に立てることができます。


最後に

私は「市販EAを全て停止することにした理由 」に記載したとおり自作EAが大好きなので市販EA運用を停止していますが、改めて分析してみるとランキング上位をキープするようなEAのバックテスト結果は驚異的です。そしてバックテストのみではなく実際の運用結果でも右肩上がりをキープしているからこそランキング上位をキープできるということですね。

聖杯などというものを求めるつもりは全くありませんが、5年後も同じように右肩上がりだったら本当に凄いですね。

投資はどんなことがあっても基本的に自己責任の世界なので、納得いくまで分析してからEAを運用した方が良いと思います。(私もやれていませんでしたが、あるべき論ではそうだと思います。)

そして、リアル運用後は利益や損失が「当初想定していた通りなのか?」という部分を考えるのが大事だと思います。闇雲に「損をしたからダメだ」ということではなく、「あり得る範囲の損失だったのか?」ということです。あり得る範囲ならば淡々と運用を継続するのがEA運用だと考えます。


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